シンコー株式会社代表から お客さまへのご挨拶
弊社は、「一人でも多くのお客様に、染料のことを知っていただきたい」
「一人でも多くの事業者様および個人のお客様が染料をもっと気軽に使用できるようにしていきたい」と考え、
2006年にオープンさせていただいたのがこのサイトです。
まだまだ至らぬ点も多々あると思いますが、皆様にとってさらに楽しく親しみやすく、わかりやすいサイトにしていこうとスタッフ全員で気を引き締めて連日の運営業務にあたっております。
皆様のご要望・ご意見もお気軽にお聞かせいただければ幸いに存じます。
今後とも皆さまのご愛顧のほど、なにとぞよろしくお願い申し上げます。
代表インタビュー ご紹介
「ひろしまSANSHINKO News(2013年4月)」の「広島でガンバル企業」に掲載していただいた、代表のインタビュー記事をご紹介いたします。
大正時代に創業した染料卸問屋「岩瀬商店」を母体とするシンコー株式会社。染色加工業界が下降傾向の中でも、オリジ
ナル商品販売やインターネット通販などの新ビジネスを次々に展開し業績を伸ばしている。代表取締役の岩瀬茂揮さんは「色
への欲求は止められない。ビジネスチャンスあり」と青写真を描いている。
描くだけで着色できる「かけるくん」、蛍光染料の「ひかるちゃん」、 顔料が絵具のようにセットになった「そめるんまほうの
お絵描きバッグ」…。子どもも大人も思わず手に取りたくなるかわいいパッケージ。その他にも、手軽に染色が楽しめる素
材に応じたキットなどがネット通販や東急ハンズなどのクラフト店で人気を呼んでいる。これらの商品を生み出したのは、染
料と木工接着剤の卸業を 営むシンコー株式会社。代表取締 役を務めるのは、38歳の若社長、 岩瀬茂揮さんだ。染料事業
部長をはじめ、社員も比較的若い。「一丸となってアイデアを出し合い、 試作を繰り返し、 商品を作っています。かわいらし
いパッケージは、女性社員のセンスです」と岩瀬さん。「今日もさっきまで、木の実を染めていたんですよ。面白いことをや
ろう…とい うワクワク感を大事にしたいと思っています。バカやっとるなぁと、見てもらえたら本望です」と屈託がない。
会社は1972年に設立さ れたが、母体は1918年に岩瀬さんの曾祖父が始めた染料の卸問屋「岩瀬商店」。福山を中心に
した備後絣の生産・製造が全盛だったころは、「ガチャマン」と言って、機を織る毎に1万円が転がり込む時代だったそうです。
だが、時代は和装から洋装に移り、 化学繊維まで出回るようになった。 さらにオイルショックで景気後退。「どんどん業績が
悪化していく中でも、親父や叔父が細々とでも看板を守ってくれていた」。 岩瀬さんは、大学卒業後すぐに入社。染めの技術
薬品のことを学ぶために、志願して作業場に立った。それでも、「このままでは…」 という不安が渦巻いていた。
2006年に起死回生をかけて「染料や染色のことをたくさんの人に知ってもらおう」 とWEBサイトを立ち上げた。「日本なら
ではの細かい色の表現は世界に誇れる。 染料についてのNo.1サイトを作ろう」。何百種類ものカラーチャート に彩られたワ
クワクするホームペー ジを作成した。すると、サイトを通じて「自宅でT シャツを染めたい」「染料を小分けしてほしい」「○
○は染められる?」…などの質問や意見がどんどん届くようになった。「『 こんな事できますか?』 という声の9割は不可能な
ことですが、1割はできることなんです」。そのニーズを 捉えることが、オリジナル商品の開発につながった。
アクセスは、個人はもちろん、これまで取引がなかった関東や関西に本社のある大手企業からも。 シリコンやプラスチック、
フィルムなどの試験染めの研究開発にも 携わるようになった。今では、国内を問わず、中国の食品メーカー から食用色素
の注文が舞い込んだり、 バングラデシュの染色工業や海外の化粧品メーカーの依頼を受けたりするようになった。「染料
ディーラーとして、色の管理やデータ作成を妥協せず、研ぎ澄ませたいと思っています」
一挙に広がったビジネスフィールドだが、岩瀬さんは「原点に立ち返ろう。小さい会社だからこそ、個々のリクエストに対
応できる柔軟性とオリジナリティーを活かしたブランド化を図りたい」と考えるよ うになった。
2011 年5月、ひろしま産業振興 機構の助成を受けて、僧侶向けの商品や法衣再生を手がける「bon.(ぼん)」ブランドを
設立した。「若い僧侶から、法衣や小物でオシャレを楽しみたいという声を耳にしたからです」。携帯電話や鍵などが収まる
ポケットを付けた頭陀袋(ずだぶくろ)、 法衣に合うマフラー、ファッショナブルな作務衣や防寒着など、「ちょっとオシャレ」
をコンセプトに次々と製品化していった。「僧侶の法衣や小物などはアパレル製品と異なり、法衣店の独壇場だったんです。
寺院の数はコンビニより多いと言われています。まさにその隙間を狙いました」 既存のものにはない布やデザインは、「檀
家さんとの会話のつかみになる」と評判だ。タウンウエアとしても十分対応できるので、 ネット通販には一般ユーザーから
の申し込みも増えてきた。
「bon.」ブランドの制作には、「広島を元気に」と地場の協力会社に声かけをし、尾道帆布などを使うようにした。繊細な環(か
ん) や皮ひもなどの創作には若手作家を巻き込んだ。「既存の技術を活かし、高め合い、中四国が連結して「bon.」を発
信したい」と張り切る。「染色加工業は厳しい景況になっ ています。でも、色に対する欲求は廃れません。ビジネスチャン
スはまだまだあると思っています」と岩瀬さんは力強く語っている。