染め方から染料を選ぶ際、基本的には「染め方から、というより、染めたい素材に応じた染料」を選ぶ、ということがまず大前提です。
ただし、たとえば「綿100%素材」を染める場合、簡単に染めたいなら「直接染料」、あざやかな色彩を表現したいなら「反応染料」といったふうに、手間や時間の都合に合わせて、染料を選ぶことができることもあります。
下記の図は、少しおおざっぱですが、簡易的な染色のチャート図です。
ただし、スレン染料やインディゴの染色となると、ご家庭で染めるには設備等の面からいって、かなり難しいです(弊社でもスレン染料やインディゴ染料の小売は行っておりません)。
ということで、専門的な染色についてはお問合せいただくとして、ひとまず「ご家庭や小規模の工房」などでも実践できる(実践できそうな)染め方の案内をこのページでは掲載します。
染めの手法には様々なものがありますが、ここではごく一般的な染色手法をご紹介します。
絞り染め(タイダイ染め)
染めたい素材の一部を縛り、染液に触れない箇所を作ることにより模様をつける染色手法。日本には奈良時代頃から存在する手法です。「シボリ」や「タイダイ(tie-dye)」、「タイダイ染め」といった染め手法はこの絞り染めのことを意味します(ただし、絞り染めの中でも詳細な手順や手法などでさらに細かく分類されます)。
ロウケツ染め
模様の部分に蝋(ろう)を塗り(防染)、染色工程を経た後でロウを取り除く染色方法。ロウが塗られていた箇所は白抜きされた状態になります。
世界的に見ても古くから各地に存在する伝統的手法です。
草木染め
草木を使って染める染色手法。化学染料を用いた染色に対して、草や木の葉などの天然原料を用いた染色の総称。後述の藍染や柿渋染めも、草木染めに属します。
藍染め
藍(アイ)を使用して染める染色手法。日本にも古くから存在する染色方法のひとつです。
柿渋染め
柿渋液を使って染める染色方法。
本染め
染色機などの機械を使わず、手で染めること。いわゆる手染めです。染色作家さんの多くは、こうした手法で染められているかと思います。
製品染め
製品として完成した素材を、後から染めること。例えば、既製品のジーンズをお店で購入して、そのジーンズを他の色に染め替えることを言います。製品染めの場合は、その製品が何の素材で出来ているかということと、何の糸で縫製されているか、どんな薬剤でプリント加工等されてあるかに注意する必要があります(素材だけで綿で、糸はポリエステルだったといった場合、ポリエステルは染まりません)。